2025年7月、Stable Diffusionを提供するStability AIが利用規約(AUP)を大きく変更しました。
特に注目されているのが、SD3以降でのNSFW(性的表現)コンテンツの全面禁止です。
一方で、旧モデル(SD1.5やSDXL)はこれまで通り使えるのか?ローカルPCやPaperspaceなどのクラウド環境では問題ないのか?
この記事では、規約変更の具体的な内容と、NSFW生成を行うユーザーが今後どう対応すべきかを分かりやすく解説します。
最新モデルに移行すべきか、現状維持が安全なのか、あなたの選択の参考になるはずです。
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Stability AIが2025年7月に規約を改定|どこが変わった?
NSFWコンテンツの全面禁止(営利・非営利問わず)
2025年7月、Stable Diffusionを提供するStability AI社は、公式に**Acceptable Use Policy(AUP:許容利用ポリシー)**を改定しました。
この中で最も大きなインパクトがあるのは、NSFW(性的コンテンツ)の全面禁止です。
新しいAUPでは以下のように記載されています:
Stability AIは2025年7月にAUP(Acceptable Use Policy)を改定し、以下のように明記しました:
“You may not use the Services or Content to generate any content that is pornographic, obscene, sexually explicit, or otherwise intended to be sexual in nature. This restriction applies regardless of whether the use is for commercial or non-commercial purposes.”
※日本語意訳:営利・非営利を問わず、ポルノ・わいせつ・性的表現を目的とした生成コンテンツは一切禁止されると明記されています。
これにより、以下のようなコンテンツの生成が一切禁止となります:
- 性行為を連想させるポーズや構図
- 性器、胸部、臀部などを露骨に描写した画像
- アダルト写真集・ファンコンテンツの制作
- セクシャルなシチュエーションを描いた二次創作
禁止の範囲は非常に広く、暗示的なコンテンツやフェティッシュな衣装でも違反とみなされる可能性があるため、注意が必要です。
特に、DreamStudioやStability APIを通じてNSFW画像を生成することは、今後完全に不可能になります。
新AUPで明記されたその他の禁止事項(CSAM・グルーミングなど)
新しいAUPでは、NSFW以外にも以下の重要な禁止事項が明記されました:
禁止カテゴリ | 内容の一例 |
---|---|
🔞 CSAM(児童性的虐待コンテンツ) | 実写・イラスト問わず、未成年を性的に描写するものは全面禁止。生成・共有・示唆もアウト。 |
💬 グルーミング・搾取行為 | 未成年になりすましたキャラクターで性的誘導を行う行為など。 |
🧠 感情・生体情報の推定 | AIによる「性的指向」「政治的傾向」などを勝手に判定・生成することも禁止。 |
👤 なりすまし・誤情報 | 特定個人や団体になりすまして誤解を生む画像・発言を生成する行為も対象。 |
このように、Stability AIは生成AIの社会的責任を明確化する方向に舵を切ったと言えます。
特にCSAM関連は、意図しない生成でも「通報・アカウント凍結」の対象となるため、LoRAやモデルを試す際には注意が必要です。
SD3以降のモデルは別ライセンスが適用される?
今回のAUP変更と同時に明らかになったのが、SD3シリーズ以降のモデルには従来の「OpenRAIL」ライセンスが適用されないということです。
これまでStable Diffusion 1.5 や SDXLなどは:
- OpenRAIL-M
- CC-BY-SA 4.0
といった「比較的自由度の高いオープンライセンス」で公開されており、NSFW生成もライセンス的には問題ありませんでした。
しかしSD3以降は:
“By accessing or using our Services, you agree to be bound by this Acceptable Use Policy.”
※日本語意訳:モデルを使用する際に「Stability AIが定めた利用条件に同意したものとみなす」
という形式に変わり、NSFW禁止などの制限がライセンスレベルで強制される可能性があります。
そのため、たとえローカルでSD3を使ったとしても、「モデル利用者はNSFW禁止に同意済み」とされるリスクがあるということです。
SD1.5(OpenRAIL-M):モデルライセンス(Hugging Face)
SDXL(OpenRAIL-M):モデルライセンス(Hugging Face)
SD1.5やSDXLは今後も使えるのか?
SD1.5 / SDXL のライセンスは「非取消」で継続利用可能
現時点では、Stable Diffusion 1.5 や SDXL はこれまで通り使用可能と考えられます。
その理由は、これらのモデルに付与されているライセンスが「非取消(irrevocable)」なオープンライセンスであるためです。
具体的には以下の通り:
モデル | ライセンス種別 | 内容 |
---|---|---|
SD1.5 | OpenRAIL-M | 商用利用可・改変可・NSFW生成の明確な制限なし |
SDXL(1.0) | OpenRAIL-M | 同上。自由度が高く、ユーザーの責任のもとで利用可能 |
さらに、Stability AIはSD3発表時の公式ブログ記事にて次のように述べています:
“Previous model releases may be accessible under separate licenses in our open model releases on Hugging Face.”
(訳:過去にリリースされたモデルは、Hugging Face上のそれぞれのライセンスのもとで引き続き提供されます)
このことから、SD1.5やSDXLといった旧モデルには、AUP(Acceptable Use Policy)の改定が直接適用されないことが示唆されています。
ただし注意すべきは、これらは現時点での解釈であり、今後のライセンス再改定や運用ポリシーの変更によって状況が変わる可能性もあります。 特にクラウド利用や商用目的の大規模配信を行う場合は、常に最新の情報を確認しながら慎重に対応すべきでしょう。
NSFWコンテンツも旧モデルなら合法的に生成OK
多くのユーザーが懸念している「NSFWコンテンツの扱い」についても、SD1.5やSDXLであれば現時点では合法的に生成可能です。
ポイントは以下の通り:
- SD1.5 / SDXL のライセンスには、NSFWの明示的な禁止条項がない
- 過去のライセンスに遡ってAUPを適用することは困難
- 生成物の利用における「法的責任」はユーザー側が負うという立場
そのため、たとえば以下のような用途でも、ライセンス的には問題ありません:
- セクシーなAI写真集の制作
- Fanvue・Patreon等での有料配信
- 自主制作のイラスト・創作コンテンツ
ただし、公開するプラットフォーム側の規約(Amazon、Instagramなど)には従う必要があり、また社会的・倫理的な観点からも判断が分かれる領域です。
あくまで“グレー”な側面が存在することを理解し、慎重に取り扱うべきです。
APIやDreamStudioではどうなるのか
SD1.5 や SDXL のモデル自体は問題なくても、Stability AIの提供するAPIやDreamStudioなどのオンライン環境を経由する場合は別問題です。
2025年7月の改定後、Stability AIのAcceptable Use Policyでは次のように明記されています:
“You may not use the Services or Content to generate any content that is pornographic, obscene, sexually explicit, or otherwise intended to be sexual in nature. This restriction applies regardless of whether the use is for commercial or non-commercial purposes.”
このため、たとえSD1.5を使っていても、APIやDreamStudioを通じたNSFW画像の生成は規約違反とみなされます。
利用方法 | NSFW生成の可否 | 備考 |
---|---|---|
ローカル環境(AUTOMATIC1111など) | ✅ 可能 | モデルがSD1.5 / SDXLなら問題なし |
PaperspaceやRunPodなどローカル寄りクラウド | ⚠️ 可能だがグレー | クラウド側のToS次第で制限される可能性あり |
Stability API / DreamStudio | ❌ 不可 | NSFW禁止が明文化されており、違反時は利用停止リスクあり |
したがって、NSFWコンテンツを含む生成は、ローカル環境または自己責任のクラウド環境で行うことが推奨されます。
今後の規約変更やライセンス再編の動きにも引き続き注意が必要です。
SD1.5やSDXLは今後も使えるのか?
SD1.5 / SDXL のライセンスは「非取消」で継続利用可能
現時点では、Stable Diffusion 1.5 や SDXL はこれまで通り使用可能と考えられます。
その理由は、これらのモデルに付与されているライセンスが「非取消(irrevocable)」なオープンライセンスであるためです。
具体的には以下の通り:
モデル | ライセンス種別 | 内容 |
---|---|---|
SD1.5 | OpenRAIL-M | 商用利用可・改変可・NSFW生成の明確な制限なし |
SDXL(1.0) | OpenRAIL-M | 同上。自由度が高く、ユーザーの責任のもとで利用可能 |
さらに、Stability AIはSD3発表時の公式ブログ記事にて次のように述べています:
“Previous model releases may be accessible under separate licenses in our open model releases on Hugging Face.”
日本語訳:過去にリリースされたモデルは、Hugging Face上のそれぞれのライセンスのもとで引き続き提供されます)
このことから、SD1.5やSDXLといった旧モデルには、AUP(Acceptable Use Policy)の改定が直接適用されないことが示唆されています。
ただし注意すべきは、これらは現時点での解釈であり、今後のライセンス再改定や運用ポリシーの変更によって状況が変わる可能性もあります。 特にクラウド利用や商用目的の大規模配信を行う場合は、常に最新の情報を確認しながら慎重に対応すべきでしょう。
NSFWコンテンツも旧モデルなら合法的に生成OK
多くのユーザーが懸念している「NSFWコンテンツの扱い」についても、SD1.5やSDXLであれば現時点では合法的に生成可能です。
ポイントは以下の通り:
- SD1.5 / SDXL のライセンスには、NSFWの明示的な禁止条項がない
- 過去のライセンスに遡ってAUPを適用することは困難
- 生成物の利用における「法的責任」はユーザー側が負うという立場
そのため、たとえば以下のような用途でも、ライセンス的には問題ありません:
- セクシーなAI写真集の制作
- Fanvue・Patreon等での有料配信
- 自主制作のイラスト・創作コンテンツ
ただし、公開するプラットフォーム側の規約(Amazon、Instagramなど)には従う必要があり、また社会的・倫理的な観点からも判断が分かれる領域です。
あくまで“グレー”な側面が存在することを理解し、慎重に取り扱うべきです。
APIやDreamStudioではどうなるのか
SD1.5 や SDXL のモデル自体は問題なくても、Stability AIの提供するAPIやDreamStudioなどのオンライン環境を経由する場合は別問題です。
2025年7月の改定後、Stability AIのAcceptable Use Policyでは次のように明記されています:
“You may not use the Services or Content to generate any content that is pornographic, obscene, sexually explicit, or otherwise intended to be sexual in nature. This restriction applies regardless of whether the use is for commercial or non-commercial purposes.”
日本語訳:「本サービスまたはコンテンツを使用して、ポルノ的、わいせつ、性的に露骨、またはその他性的な性質を意図したコンテンツを生成することはできません。この制限は、商用・非商用の利用目的を問わず適用されます。」
このため、たとえSD1.5を使っていても、APIやDreamStudioを通じたNSFW画像の生成は規約違反とみなされます。
利用方法 | NSFW生成の可否 | 備考 |
---|---|---|
ローカル環境(AUTOMATIC1111など) | ✅ 可能 | モデルがSD1.5 / SDXLなら問題なし |
PaperspaceやRunPodなどローカル寄りクラウド | ⚠️ 可能だがグレー | クラウド側のToS次第で制限される可能性あり |
Stability API / DreamStudio | ❌ 不可 | NSFW禁止が明文化されており、違反時は利用停止リスクあり |
したがって、NSFWコンテンツを含む生成は、ローカル環境または自己責任のクラウド環境で行うことが推奨されます。
今後の規約変更やライセンス再編の動きにも引き続き注意が必要です。
クラウド環境でのNSFW生成は違反になるのか?
Stability AIの規約とは別に、クラウド側のToSに注意
多くのユーザーが利用しているPaperspace、RunPod、Vast.aiなどのクラウドサービスは、基本的にStable Diffusionを自前のGPU上で動かす「擬似ローカル」な環境ですが、これらはあくまで第三者の提供する商用クラウドです。
そのため、Stability AIの規約だけでなく、**クラウド提供会社側の利用規約(ToS)**にも従う必要があります。
クラウドサービスの中には、以下のような文言が利用規約に含まれている場合があります:
“You agree not to use our services to create, host, or share sexually explicit content.”
日本語訳:「当社のサービスを使用して、性的に露骨なコンテンツの作成、ホスティング、または共有を行わないことに同意します。」
この場合、たとえローカルで許容される内容であっても、クラウド上ではNSFW生成自体が禁止行為とみなされる可能性があります。
現在は黙認だが、今後スキャン・削除の可能性も
現時点では、こうしたクラウド環境でNSFW画像を生成しても、即座にアカウント停止やファイル削除といった措置が取られるケースは稀です。
ただし、今後は以下のような動きが予想されます:
- Google Colabのように、ファイル内容のスキャンや警告機能が導入される
- 利用者の急増に伴い、コンテンツ管理体制が強化される
- NSFW系の通報や報告が増えた場合に、利用制限対象となる
このため、「今は使えている」状況が「将来も続く」とは限らず、クラウド上でのNSFW生成は常に“グレー”ゾーンであることを意識しておく必要があります。
生成後はローカル保存・削除の運用が安全
クラウド上で一時的に生成する場合でも、以下のような運用ルールを徹底することで、リスクを最小限に抑えることができます:
- 生成が終わったら即時にローカルへダウンロード
- クラウド上には画像データやキャッシュを残さない(
.output/
,tmp/
フォルダなどを定期的に削除) - 自動スクリプトで定期的にフォルダをクリーンアップ
また、画像データがクラウド側で「技術的に解析可能」であることも踏まえ、完全なプライベート性を求める場合はローカルPC環境への移行が最も安全といえるでしょう。
このように、クラウドを利用した生成には便利さと引き換えに利用制限や運用リスクが付きまとうため、十分な理解と対策が必要です。
よくある質問(FAQ)
SD1.5やSDXLを使ってNSFW画像を作るのは違法ですか?
違法ではありませんが、使用する環境と用途によってリスクがあります。 これらのモデルはOpenRAIL-Mライセンスのもと提供されており、NSFWを明示的に禁止する条項はありません。ただし、生成物の利用に関しては各プラットフォームの規約や法令を遵守する必要があります。
クラウド環境でNSFW画像を作るのは大丈夫ですか?
グレーです。 PaperspaceやRunPodなど多くのクラウドではNSFWに対する明確な制限はないものの、ToS違反とみなされる可能性があります。将来的な削除・凍結リスクもあるため、ローカル環境の利用がより安全です。
SD3でNSFW画像は作れますか?
現時点では事実上不可能です。 Stability AIの最新AUPにより、商用・非商用を問わずNSFWコンテンツの生成は禁止されています。また、SD3はモデルの利用時にAUPへ強制同意する仕組みが導入されています。
NSFWコンテンツをFanvueやPatreonで配信しても大丈夫?
モデルと生成環境次第です。 SD1.5やSDXLをローカルで使い、自身で生成したコンテンツであればライセンス違反にはなりません。ただし、各配信プラットフォームのガイドラインに従う必要があります。
まとめ|今やるべきは「現状維持」と「情報収集」
Stability AIのAUP改定により、NSFWコンテンツの生成にはこれまで以上の注意が必要になりました。
しかし、以下のような状況をふまえると:
- SD1.5やSDXLなどの旧モデルは、引き続きオープンライセンス下で利用可能
- クラウド環境ではToS違反のリスクがあるが、ローカル運用なら比較的安全
- SD3以降のモデルはライセンス・AUPが未確定で、移行は時期尚早
現時点での最適解は、**「旧モデルをローカル環境で使い続けつつ、Stability AIや各クラウドサービスの動向を継続的にチェックすること」**に尽きます。
また、将来的に規制がさらに厳しくなる可能性もあるため、
- 大事なプロジェクトのデータは早めにローカル保存しておく
- NSFW以外の表現スタイルも研究しておく
など、“守り”と“次の一手”の両面から準備を進めておくのが賢明です。