Stable Diffusionでポーズ指定をしても、
「なんだかポーズが不自然…」「腕や脚が変な方向に曲がってる…」といった失敗は誰にでもあると思います。
私も使い始めた頃は、何度生成しても納得できるポーズが出てこなくて、苦戦しました。
この記事では、私自身の体験をもとに、初心者でも自然なポーズを生成するためのコツを3つにまとめてご紹介します。
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なぜポーズ画像は破綻しやすいのか?
AI生成では「自然な動き」を再現するのが難しい理由
Stable Diffusionは、過去に学習した写真や画像からポーズを“それっぽく”再現しています。
でも、体のねじれや複雑な動きは苦手で、次のような破綻が起きやすいです。
- 腕や脚が変な方向に曲がる
- 肘や膝が二重になる
- 首や肩の角度がおかしくなる
こうした破綻は、特に「複雑なポーズ」や「動きの途中」に見られます。
<!– ▼破綻した画像例の挿入ポイント –>
ポーズ指定を盛り込みすぎると、手足や関節が破綻することがあります。
初心者がやりがちなプロンプトの落とし穴
失敗の一番の原因は、プロンプトを欲張りすぎることです。
たとえば:
standing, looking back, hand on hip, crossed legs, sitting on chair, full body, from above
…これだと、「立ってるの?座ってるの?脚はどうなってるの?」とAIが混乱してしまい、
結果として破綻画像になりやすいです。
最初は1つの動作に絞る、これが鉄則です。
コツ①|ポーズは“シンプルに”指定する
ポーズが破綻しない一番の近道は、シンプルなプロンプトで安定させることです。
使いやすい基本プロンプト例(プロンプト部分をクリックでコピーできます)
以下は私も実際によく使っている、破綻しにくい基本ポーズです。

standing
立つ
standingのみ指定したシンプルな立ちポーズ。破綻が少なく安定して出力されます。

sitting
座る
sittingだけを指定した基本ポーズ。手足の破綻が少ない初心者向けです。
説明 | プロンプト | 使用例 |
---|---|---|
立つ | standing | standing on office |
座る | sitting | sitting on chair |
歩く | walking | walking on beach |
寝ころぶ | lying down | lying down on bed |
膝立ち,ひざまずく | kneeling | kneeling on poolside |
standing on office
のように『ポーズ on 物や場所等』と指定してあげる。
組み合わせるワードで印象が変わる例
基本ポーズに少しだけ動作を追加すると、印象が大きく変わります。

hands on hips
手を腰にあてる
腰に手を添えることで、自信がある雰囲気や魅力が強調されます。

crossing legs
脚を組む
脚を組むことで、大人っぽい印象やリラックスした雰囲気が出ます。
注意点はひとつ:
“少し足す”くらいに留めること。 それが自然に見せるためのコツです。
コツ②|カメラアングルを意識して自然に見せる
ポーズ自体をうまく再現できなくても、カメラのアングル(視点)を工夫するだけで“自然に見える画像”は十分に作れます。
初心者ほど、破綻しにくい構図=カメラアングル選びが重要です。
from behind
, low angle
, side view
の違い
以下はよく使われる3つのアングル指定と、それぞれの特徴です。

from behind
後ろから
背中からの構図は、顔や手元の破綻を気にせず自然に見せることができます。

low angle
下から
下から見上げる構図。脚が長く見えたり、ポーズに迫力が出る反面、表情が崩れることも。

side view
横から
横顔や体のラインを見せたいときに使えます。手のポーズが正面よりも自然に見えやすいのもポイント。
“破綻が目立たない”おすすめアングルとその理由
初心者の方には、次のような構図がおすすめです:
from behind
(後ろ姿):顔・手・脚の破綻が隠れるside view
(横から):左右のバランスが自然に見えるthree quarter view
(斜め45度):立体感が出て破綻を感じにくい
これらの構図は、完全再現でなくても「雰囲気」で成立しやすいため、初心者が「失敗しにくい構図」として最適です。
私がよく使う構図|正面+膝上 or 上半身カットで破綻を回避
実は、from front
のような正面構図でも「破綻を目立たせない」工夫はできます。
私がよく使っているのは、次のようなカットです:
cowboy shot
(膝上の構図)upper body
(上半身カット)close-up portrait
(顔中心)
これらは、手先や脚など、破綻しやすい部位をあえてフレーム外にすることで、
結果的に「自然な画像」に見せることができるテクニックです。

cowboy shot
太ももから上
膝から上の構図にすることで、脚の破綻を気にせず自然に見せられます。

upper body
上半身
上半身だけの構図にすることで、手や指の違和感も画面外に隠せます。
特にSNS投稿用の画像や、バナー・プロフィール画像の用途ではこのような構図が使いやすく、
私のX(旧Twitter)・InstagramやThreadsでも実際に多く使っています。一度わたしの各種SNSをご覧になってみてください。

KAEDE AI Beauty かえで
\ KAEDEのSNS /
コツ③|ControlNetやLoRAに頼りすぎない
Stable Diffusionの画像生成では、ControlNetやLoRAを使えば「手足の位置を細かく制御できる」便利さはあります。
ですが、初心者のうちは使いすぎに注意です。
初心者が使いやすいのは“構図で自然に見せる”手法
AI生成は「うまくごまかす」のも技術のうち。
ControlNetやポーズガイドを使わなくても、構図や視点の選び方次第で“自然に見える画像”は十分作れます。
たとえば:
- 背景を明るく飛ばす → 足元の破綻をごまかせる
- 腕や手が見えにくい構図にする → 指や関節のエラーが目立たない
衣装・背景・姿勢で“ごまかす技術”も活用しよう
初心者でもすぐに実践できる、自然に見せるテクニックは次のとおり:
工夫 | 効果 |
---|---|
長袖やロングスカート | 関節の破綻を隠せる |
ソファやベッドに寝かせる | 肘や膝の位置をごまかしやすい |
カメラをズームアップ | ポーズ全体の破綻を避けやすい |
薄暗い背景・逆光 | 肌や手足の違和感を和らげる |
長袖の衣装とソファを組み合わせた構図。ポーズ破綻が見えにくく、雰囲気も自然です。
実際の生成例と使ったプロンプト紹介
ここでは、私が実際にStable Diffusionで生成した画像と、その際に使ったプロンプトをセットでご紹介します。
複雑な構成やControlNetは使わず、できるだけシンプルに、初心者でも扱いやすい内容に絞っています。
シンプルな立ちポーズ(standing)

standing, looking at viewer, simple background, natural lighting, cowboy shot, from front
standingポーズで生成したAI画像(自然光・正面構図)
立ちポーズをベースに、視線をこちらに向けることで雰囲気を出しています。
手や脚を画面外に逃すことで、ポーズ破綻のリスクを抑えています
背景は simple background
にして、人物を際立たせるように
座りポーズ+手元が見える構図(sitting)

sitting, hands on lap, looking sideways, from side, wooden floor, soft shadow
横向きで座るポーズのAI画像(手元が自然に見える構図)
膝の上に手を置いたシンプルな座り方。横からの構図で自然な印象になります
横たわりポーズ(lying down)+自然な構図
lying down, head turned slightly, relaxed pose, on bed, from above
真上からの構図で顔や肩のバランスを整えやすく、自然に見せやすいポーズです。
on bed
を使うと「体の置き方」自体が自然になり、破綻しにくくなります
relaxed pose
や head turned slightly
で表情に柔らかさを出せます
まとめ|自然なポーズ生成は「詰め込みすぎない」ことがカギ
- 欲張らないプロンプト
- 視点の工夫(カメラアングル)
- 破綻を隠す構図・衣装・背景
そして、完璧を目指すよりも「不自然に見えないこと」を優先するのが、初心者にとっての近道だと私は感じています。
最初はシンプルなプロンプトから始めて、慣れてきたらLoRAやControlNetに挑戦していくのがおすすめです。